健康経営の施策とは、人々が健康な毎日を過ごすために必要であろう取り組みのことを指します。もともと健康に十分配慮している人もいるでしょうが、それを毎日継続させることは決して簡単なことではありません。
そしてそんな健康経営のための最も重要な項目と言えば何か、それが他ならぬ食事です。数ある生活習慣の中でも食生活は一番に健康問題へと直結し、摂取量や時間はもちろん食べ方だけでも気を配るに越したことはありません。生活習慣が影響する病気を持つ人も増加傾向にある昨今、改めてその在り方や向き合い方に注目してみてください。
健康経営の具体的な施策「共食」
ではそんな食事をどう摂っていけばいいのか、実は最近になって共食という言葉が広まりつつあります。共食とは他の誰かと一緒に食事をすることで、家族や友人、仕事仲間など誰でも構いません。片や孤食という単独で食べる意味を指す言葉もあるのですが、こちらはネガティブなイメージが強くあまり推奨されていないのです。
孤食がダメで何故共食は良いのか、まず誰かと一緒に食べることで食べ方が丁寧になります。単身だとどうしても雑になったりする部分も、他の人の目があることで無意識に修正されるわけです。食べ方が丁寧になると自然と噛む回数が増え、唾液の分泌や暴食予防に繋がっていきます。
次に噛む回数が増えると、食べ終わるまでの時間が遅くなります。早食いは健康に悪影響と言われており、ゆっくり時間を掛けて食べれば栄養も穏やかに吸収されるのです。現代人は忙しく時間がないと表現されるものの、せめて食べる時間くらいはしっかりと確保して、その上で近しい人と一緒に食べられれば理想的なのかもしれません。
他には、食べ終わるペースを調整することもできます。これは先述した時間に関することとやや共通しますが、普段誰かと食事をしていると食べ終わるまでの順番に特徴が出ることがあります。例えば家族ではお父さんが一番早かったり、お母さんが一番遅かったり、皆が同時に食べ始めて同時に食べ終わることなどなかなかありません。
そこがこのペースに纏わるポイントで、他の人の食べる早さから適度なペースを身に付けることが可能になります。健康そうな人がどういった食べ方をしているのか、或いは誰かにペースを合わせることで協調性が育まれます。これを繰り返し食べ終わるタイミングが重なるようになると、段々と親近感が湧いてくるメリットまであるのです。健康のこと以外でも良いことがあるので、凝視するのはおすすめしませんが気を配るようにしてみてください。
最後に挙げるのは、栄養のバランスや知識を蓄えられるメリットです。共食をしていると、自分以外の人がどういうメニューを食べているのか気になるときがあるでしょう。特に外食ではそれが顕著で、健康意識の高い人が頼むメニューには勉強の余地があります。
家族で食べる際には同じメニューを食べることになるでしょうが、今日の食卓に何故その食べ物が並んでいるのか、どういう順番で食べるべきなのかなど、1人でも知識を持つ人がいればそれだけで共有ができます。健康経営の施策を上手に行うには、こうした勉強の機会を逃さない学ぶ姿勢が必要不可欠なのです。
以上が、食事と共食が持つ様々なメリットになります。ですがまだまだ共食が推奨されている理由は存在し、その中でも特に重要と言われるのがストレスの解消です。共食をすると話し相手に困ることはなく、都度誰かしらとコミュニケーションを取る機会が生まれます。
このコミュニケーションは孤独を回避する意味合いもありますが、何気ない会話や愚痴を聞いてもらうなどして溜まっていたストレスを軽減する目的にも最適でしょう。仲の良い間柄なら深い話もできますし、他の時間では忙しくて会えなくてもちょっとした癒しの時間にすることが可能です。
健康経営の施策には、ストレスを蓄積させないことも間違いなく必須になります。逆に嫌いな人と食べることでストレスが溜まる場合もあるでしょうから、共食も相手を選ぶ行為であるのは間違いありません。ただ少なくとも孤食をすることで生まれるデメリットを考えれば、仮にあまり仲が深くなくても近くに人がいてくれることは大きいのです。即ち健康な毎日を過ごしていくためには、みんなで一緒に共食、このキーワードを是非忘れないでいてください。2人でも10人でも、何人でも構いません。同時に他の人の食べ方やメニューから学び、単身で食べる際にそれを実践できたら最高です。毎日の3食全てを共食にはできませんから、そういう気概も持ち合わせておく必要があるでしょう。
悪い食事とストレスは、健康にとって大敵でしかありません。もしこれから健康経営の施策を講じようとしている人がいれば、この2つはきっちりと押さえておいてください。寧ろこの2つさえ雑に扱わなければ、大きく健康を乱すことはないはずです。みんなで一緒に共食をすることの意味を考え、楽しく元気な毎日をどうか送ってください。
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