「健康経営」で求められていること
労働環境の改善が叫ばれる昨今では、社員を大切にする企業が評価される傾向で、環境改善を図る施策を始める企業が少なくないです。健康経営の施策は肉体と精神面の両方において重要で、社員が安心して長く働ける環境の実現が求められています。
給与や福利厚生も大事ですが、金銭だけでなく肉体的に健康的で、精神的にも充足することに意味があります。忙しくてゆっくりと食事をする時間がない、あるいは何時も出来合いのお弁当などで、栄養バランスが偏りがちといったことが問題になります。
どの企業も社員食堂を設置できるわけではありませんが、しかしランチの工夫で改善を図ることは可能です。また、食事の摂り方も健康経営の施策の1つですから、例えばみんなで一緒に共食するように心掛けるだけでも違います。
取り組みによって成果を上げている企業は、社員思いの企業と見られますし、それが社会的にも労働者目線でもポジティブに捉えられます。健康診断やメンタルヘルス対策は、健康増進や維持に繋がる直接的な施策で、大手企業を中心に取り組みが進みます。健診の促進も病気の早期発見や対応に繋がりますから、そういう部分に力を入れる企業も珍しくないです。
共食という食事の摂り方は、比較的近年注目が集まっていて、いち早く導入を始めている企業もあります。みんなで一緒に共食というと、無理にランチタイムの共有を押し付けられる印象ですが、実際は参加自由で無理強いもなしです。
やはり、心の底から楽しくごはんを食べられたり、自然に参加したいと思えるランチタイムでなければ、健康増進の意味はないでしょう。会話が弾むごはんは美味しいものですし、時に笑ったり共感しながら会話が楽しめます。こういった時間こそが人を幸せにしたり、健康が促進される特別なひと時になるわけです。
無理に参加させられたり、苦手な人と一緒にごはんを食べなければいけないのは苦痛ですから、健康経営の施策だとしても強制は禁物です。強制ではないとしても、ペナルティを設けるような参加の促し方は、社員にとっても社会的にもNGです。自然とみんなで一緒に共食したくなるランチタイムが理想的ですから、健康経営の施策を考える経営者は、社員目線で魅力的な場を実現したいところです。
参加によって良いことがある、そんなインセンティブを設定すると、みんなで一緒に共食に抵抗感がない社員はいち早く参加を決めます。評価に響くようなインセンティブは駄目ですが、参加の度にポイントが貯まって、貯めたポイントを何かに交換できるようなインセンティブならOKです。勿論、参加そのものがインセンティブになるような共食が理想的ですし、食事や共に過ごす時間に一番価値があると評価されるのがベストです。
「健康経営」の具体的な施策として「共食」のポイント
食事の価値は人によって評価基準が異なるものの、美味しく食べることができたり、安心して口に運べる物は共通の基準として活用できます。つまり、企業が社員の為に食材に拘ったランチを提供する、そういった取り組みが健康経営の施策の結果に至ります。
内容のバラエティや味付けなど、考えたり工夫すべき点はありますが、みんなで一緒に共食したくなるメニューなら、社員の多くは喜んでランチタイムに参加するでしょう。
健康診断が将来の病気のリスク低減、禁煙推進は肺の健康を守れるように、食事の摂り方の見直しも社員の未来に価値をもたらします。短期的には孤食からの解放や栄養バランスの見直し、楽しく充実したランチタイムなどのメリットが挙げられます。一方、長期的には人間関係の改善や強化にコミュニケーション能力の維持、精神的な安定やモチベーション、集中力のアップが期待できます。
健康経営の施策はコストが掛かりますが、労働環境の改善に繋がりますし、何より取り組むこと自体の実績が残せます。ランチタイムが楽しいものにできれば、社員のモチベーションは上がり、お昼を楽しみに午前中のパフォーマンスが高まるはずです。午後は午後でランチタイムにリフレッシュを図ることで、栄養補給の疲労回復と脳内物質の分泌によって、ストレスから解放された状態で業務に臨めます。
午前中の疲れを午後に持ち越してしまうと、パフォーマンスが大幅に低下して集中力も思考力も落ちます。これでは社員のやる気は出ませんし、仕事の結果も出にくくなるのでモチベーションが保ちにくくなります。人間の集中力というのは案外持たないもので、一見して長時間集中できているように見えても、実は後半気力だけで集中していたりします。脳の疲労感は外側からは見えないので、軽視されやすく自分自身でも誤魔化しがちですが、放置しても良いことは何もないといえます。経営者にとっては特に、社員の仕事の質が落ちて成果に響きますから、早めに対処して経営の安定化を図りたいものです。
みんなで一緒に共食というのは、栄養バランスの良いごはんだけでなく、リフレッシュできる場や時間と空間を提供することでもあります。多角的に取り組むことによって、初めて社員の能力を引き出したり維持できますから、健康経営に本気で取り組むならランチタイムの見直しが不可欠です。
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